明治36年(1903年)創業の正統江戸前寿司屋です。

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鮎の姿鮨

鮎の姿鮨

弊店では6月の一ヶ月限定で「鮎の姿鮨」を提供いたします。

江戸前鮨の始祖と言われる「華屋与兵衛」の鮨図にも「鮎の姿鮨」が載っております。

その昔、鮎は隅田川で獲れたそうです。
今でも隅田川の上流、埼玉の奥地へ行くと鮎が居るそうですが、それはまごうかたなき隅田川を遡上してきた鮎だそうです。
弊店にご来店頂いた研究者の方の言です。

「鮎の姿鮨」は弊店創業以来の仕込み方、即ち酢〆で現在も毎年提供しております。

残念ながら天然の魚(鮎)で仕込むことは難しいので養殖ものにはなりますが、それでも「天然仕立て」という天然に近い仕上がりの鮎を仕入れて仕込んでおります。

余談ですが、弊店三代目皛次は釣りが趣味でした。
しかも川釣りです。
よく日曜日になると(当時は日曜・祝日が休みでした)釣りに出かけて鮎やヤマメなどを釣ってきました。
それで孫である筆者の家では、毎週日曜日は天ぷらを食べる日となっていました(苦笑)

その三代目皛次は、6月に鬼籍に入ったので祖父を追悼する意味でも6月の一ヶ月を「鮎の姿鮨」の提供月間としております。

鮨職人として「カスゴ(鯛の稚魚)」を仕込めるようになれば一人前と言われますが、筆者に言わせれば「鮎の姿鮨」の方がカスゴよりも遥かに面倒で手間がかかります。
とは言っても鮎はネタとして「キワモノ」なので、やはりカスゴが仕込めれば上等なのでしょう。

鮎と言えば塩焼きくらいしか食べる機会が無い現代に、今も残る古典的な仕事を施した「鮎の姿鮨」を是非お試しください。

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