手拭いについて
手拭い
弊店ではお正月になると年始のご挨拶として「笹鮨オリジナル手ぬぐい」をお食事をされた方にお配りしております。
これは昔の商売屋の風習を残すためです。
「お年賀」としてお配りしております。
お配りしている手拭いですが、実は中々の代物(しろもの)でございます。
手拭いの生地はご存じの通り「晒(さらし)」ですが、晒にも種類があることは一般的には余り知られていないようです。
標準なものは「そうり」と呼ばれる生地で業界的には「ぶん生地」ともいうようです。
そうりの上が「おか」、おかの上が「特おか」。
そして一番上等なのが「上そうり」と呼ばれる晒生地とのこと。
(詳細は、ネット検索で説明をなされているサイトをご参照ください。)
そこで弊店でお配りする手拭いの生地ですが「上そうり」を使用しております。
前述の生地の差は何かというと肌理(きめ)の細かさです。
一番廉価な「おか」で手拭いを作ると染めが荒くなりぼやけた柄になってしまいます。
これを最上級の「上そうり」で作ると色も柄もはっきりくっきりしています。
更に染めも「細川二度染め」という手法を駆使してより鮮明に染め上げております。
弊店のオリジナル手ぬぐいを解る方が見ると「おぉ!これはすごい手拭いだ!!」と驚嘆の声を上げられます。
実際に過去にはそういう方がいらっしゃいました。
以前三代目一郎が仕切っていた頃手拭い業者が廃業したとのことで取引業者から連絡が入り、その取引業者へ「どこか手拭い業者を探して作らせてくれ」とお願いしたことがありました。
その時に新たに作られた手拭いを見て三代目は激怒したそうです。
「こんなクタクタな生地で!しかもぼやけた染めで!!こんなもん使えるかっ!」と。
その時の生地は「おか」で更に関西の工場で作られた晒だったそうです。
取引業者は這う這うの体で作り直した・・・と今に語り継いでおります。
その当時、三代目が鮨以外にそんなにこだわる人だとは知りませんでした(恥
時代の流れとはいえ徐々に手拭いを作る店・人が廃業したり、晒を作る工場が少なくなったり、国産の良質な生地が手に入りづらくなり、とても残念な寂しい気持ちになることもありますが、それでも昔ながらの風習や慣習を絶やさないように続けていきたいと思っております。
無駄金使って・・・と言われようと伝統を守るということは生半可な思いでは続けられませんので弊店は粛々と続けてまいりたいと思います。
余談ですが、弊店が取引している業者に言わせると関東と関西の晒生地の仕上がりは違うそうです。
何故なんでしょうね?それが前述の三代目の怒りに触れる原因だったわけですが・・・。
更に余談ですが弊店のオリジナル手拭いを10~12本集めると浴衣が一枚できるそうです。
そういう尺寸の大きさで作られている手拭いです。
是非お裁縫が得意な方は弊店の手拭いを集めて浴衣を仕立てて頂きたいものです。
でもやろうと思ったら10年以上かかりますね(汗
弊店でお年賀としての手拭いをお配りする期間は大変短い(約2週間)ですが、是非ともこだわりの手拭いをお手元においてみては如何でしょうか?
夏はお中元代わりに「オリジナルタオル」をお配りしています。